X308 JOURNAL

007  ·  QUANTUM OF SOLACE

007とX308

ボンド映画に出たX308は、ヒーローではなく悪役の車。そして、よくある勘違いもひとつ。

読みもの·約3分·はじめての人も読めます

ジェームズ・ボンドの愛車といえばアストン・マーティン。ジャガーは、シリーズの中ではたいてい「敵側」の車として描かれます。X308も、その例にもれませんでした。

THE VILLAIN’S CAR

『慰めの報酬』の悪役の車

X308がはっきり登場するのは、2008年の『慰めの報酬(Quantum of Solace)』です。乗っているのは、本作のヴィラン、ドミニク・グリーン。彼が空港からオペラの会場へ移動する場面で、X308系のデイムラー Super V8——X308の最上級モデルが使われています。劇用車データベース(IMCDb)では2000年式と識別されています。

登場は本編の39分あたり、ごく短い場面です。派手なカーチェイスをするわけでもありません。でも、悪役にあえて「目立たない最上級サルーン」をあてがうのは、ボンド映画の手堅い演出でもあります。

叫ばずに、格を見せる車。

X308のデイムラーは、その役にはまっていました。

A COMMON MIX-UP

よくある勘違い

ひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。「カジノ・ロワイヤル(2006年)にもX308のジャガーが出る」と言われることがありますが、これは正確ではありません。あの作品に登場するジャガー(XJ8やXJR)は、X308の次の世代、X350です。劇用車データベースでも、そう確認できます。

見た目が似ているので混同されがちですが、X350はオールアルミのボディを持つ別世代。だからX308がボンド映画に出たと言えるのは、いまのところ『慰めの報酬』の一作です。小さなことですが、こういう細部こそ正確でありたいと思っています。

参考資料:IMCDb — 2000 Daimler Super V8 (X308) in Quantum of SolaceIMCDb — Casino Royale (2006) vehicles(ジャガーはX350)